腰椎のすべりによる腰痛について(予防法)


腰椎すべりによる腰痛の予防法


腰の調子がよい状態に保つ仕組みを理解し、この状態が持続するために積極的な予防法を取りましょう。
 
腰椎のすべリの原因は、腰にかかる荷重の大きさです。「腰痛発生の生体力学」で紹介したように、腰にかかる荷重や衝撃は想像を超えたかなり巨大なものです。それゆえにしっかりと原因と腰椎の構造を理解しないと改善を図るのがなかなかむずかしいのです。
 
腰椎のすべりと仰向け寝 わたしたちの脊柱は全体が荷重を平均化するように働きます。関節間が密着して運動するような運動リズムをもっています。腰に不安感がある人は、日常的に不安のある部位がくつろぐような自己調節を行っています。痛みの発生はこの自己調節が限界を越えたところで発生してきます。
 
予防に当たっては、この点を十分にふまえておこないましょう。
 
腰椎のすべりとうつぶせ寝 基本的に腰を反らすようなポーズが腰椎のすべリを助長します。立つ姿勢においてもそうですが、仰向けに寝る姿勢、うつ伏せに寝る姿勢はいずれも腰椎のすべリを助長します。朝起きると腰がつらいという症状はこのために生じます。
 
また整体院やマッサージなどにいってベットに寝ているとだんだん腰が痛くなってくるのもこのためにです。仰向け・うつ伏せに寝る必要がある時は、痛みの原因を理解して腰が丸くなるようなポーズを取ることが必要です。


原因を理解して対処しよう!


腰椎のすべりによる腰痛の対処法01 腰椎のすべりによる腰痛の対処法02 このような点をふまえて、積極的に予防のための体操をおこないましょう。
 
まず片側あるいは両側の膝を抱え、抵抗を加えながら足を伸ばす運動をしましょう。
 
右図のようなポーズをとると腰が自然と丸くなり、腰椎が床に押し付けられるような感じなります。どちらか片側の膝を使っても、両膝を使ってもよいでしょう。ご自分の感覚でもっともラクな感じにできる方法がよい方法です。
 
腰椎4~5番に前方変位がある人は骨盤内の神経が興奮したえず圧痛があります。この操作をすると骨盤内の圧痛が解消されます。圧痛が消えない場合は、うまく腰椎を張り出せていない可能性があります。
 
腰椎のすべりと痛みの検査 骨盤の前側の出っ張り(上前腸骨)の内壁に触れてみて、体操の効果を確認してみてください。
 
最初は、腰椎部を後方に張り出すこと自体が痛いと感じられることもあります。入念に時間をかけ、硬くなった靱帯をよくほぐしながら、緩やかな運動を継続する必要があります。
 
よくなったと思っていても、ちょっとしたきっかけで突然痛みが再発しやすいのもこの腰痛の特長です。痛みがなくとも、日ごろから腰椎部の柔軟性を高め、とくに右腰部に生じやすい姿勢性の緊張をためすぎないように心がけましょう。これらの部位に疲労が蓄積すると、結果的に下部の腰椎の前方変位の引き金となります。
 
腰痛を予防する腰椎の平衡位 大切なのが就寝時の姿勢です。身体の重みから解放されるため、腰を休める大切な時間です。しかし、身体の力が抜け関節に直接力がかかりやすくなるため、かえって痛みが出やすくなる場合もあります。
 
とくに足を伸ばして仰向けに寝ると腰が反った状態におかれます。腰の下に手を入れると、トンネルができているはずです。このようなポーズは、腰椎の前方変位に対して、強い負荷をもたらします。
 
腰椎のすべり症と腹筋運動 朝起きると腰が痛い、といった症状の特徴はこのために生じるのです。膝の下に布団などを丸めて、眠りに落ちても膝が伸びきらないようにしましょう。最初は寝苦しく感じるかもしれませんが、このようなひと工夫で慢性腰痛を脱した人がたくさんいます。
 
就寝中は、身体の重みから解放される大切な時間です。その就寝中が腰に対して負担をかける時間になってしまうと、なかなか腰痛から抜け出せなくなるのは当然といえば当然です。ぜひ、腰に負担のないポーズでしっかりと腰を休ませてください。
 
腹筋の充実は、腰痛の軽減の大きな助けになります。腹筋を鍛えるにあたっても腰椎の前方変位を助長することがないよう、ポーズには十分な注意が必要です。