顔の歪みと頭蓋骨のアンバランス


顔の歪みの背後には


顔のゆがみのチェックポイントニュースキャスターの顔を見ていて顔のアンバランスに気づくことがあります。おおむね小さくなった目の側の耳の高さが下がり、鼻柱が同じ側に傾いています。

さらに襟から耳にかけての首のライン、下顎の位置など、よく見てみると身体のさまざまな部位に左右のアンバランスがあるのがわかります。

眼の下あたりの頬の皮膚を指先で引き伸ばすと皮膚の伸縮性にも大きな左右差がありのがわかります。かたい側の顔は表情が硬く、また眼の周囲に腫れなどを生じやすくなります。

顔の皮膚の伸びの検査方法これらのアンバランスは、姿勢と自律神経のバランスに影響されています。よく注意してみるとかなり一貫した傾向を持っているのがわかります。

顔面には、筋肉の動きをコントロールする顔面神経や顎の動き、歯や皮膚感覚を伝える三叉神経、汗腺や血流をコントロールする交感神経が分布しています。これらの神経系の働きを通じて、心身のバランスが顔の姿に影響をおよぼしているのです。

とくに三叉神経は、頭部に分布するもっとも大きな神経で、自律神経機能と運動機能の両方に大きな影響をもたらします。頭痛、歯痛、鼻閉などの症状と顔のゆがみは密接な結びつきを持っているのです。

三叉神経が緊張していると右図のポイントに過敏が表れます。同時に後頭部の頚椎にも緊張があらわれ、関節が変位します。とくに下頭斜筋や大後頭直筋には、ずーんと身体の奥に響くような心地よい緊張があります。これらの緊張をうまく鎮静すると、頭が軽くなったように感じられるとどうじ、頬の皮膚に弾力性がでて、顔面のアンバランスが整ってきます。

顔の緊張と三叉神経三叉神経に代表される頭部の神経は、頚椎1~3番に集まる頚部の自律神経のネットワークと密接に結びついています。目の小さい側は、頚椎1~3番部に圧すると響きを発する緊張して硬くなった部位があります。三叉神経を鎮静するときには、これらの頚椎の異常もあわせて調整します。

 

 

 


頭蓋骨にもバランスがある


頭蓋骨調整と側頭鱗頭蓋骨のなかには、縫合と呼ばれるいくつもの関節があります。鋸(のこぎり)状の複雑に結びあわさた縫合が多いのですが、なかには薄い切片が重なり合うようにしてできた動きのある縫合もあります。側頭部にある鱗状縫合です。

鱗状縫合は、耳の周囲を取り囲むように頭の側面にあります。鱗状縫合には微妙な動きがあって、乳様突起(耳のすぐ後ろの突起)の位置や頭のふくらみに影響をあたえます。

顔の正面には二つの骨がぴったりを張り合わさった平面縫合があります。左右の目の位置や前歯の左右の位置に影響をあたえます。

頭蓋骨調整と前頭縫合 頭蓋骨の内側はクモ膜、軟膜、硬膜という3層の膜におおわれ、脳脊髄液をはさんで脳や脊髄を包み込んで保護しています。これらの膜は、頭蓋骨から仙骨(骨盤部)にまでいたり、脊髄から分岐する神経の出所をしっかりと目貼りしています。脳脊髄液を封入する大きな袋になっているのです。

とくに硬膜は伸縮性に乏しくたるみによって背骨の運動に対応しています。この硬膜の緊張が頭蓋骨の微妙な運動を作り出していると考えられています。

とくに大切なのは、頭蓋骨の底部の関節です。上あごの底(口蓋)をつくる蝶形と後頭部をつく後頭骨は、口の奥で縫合しています(蝶後頭軟骨結合)。この縫合は呼吸にあわせて前後の方向に開いたり閉じたりしているとされています。

頭蓋骨調整と蝶形後頭縫合 後頭骨は上部の頚椎と密接な結びつきがありますが、これらの筋肉の緊張を鎮静し関節の動きを回復すると、頭蓋骨を構成する骨格の位置関係が変化します。その結果、顔の形が変化したと感ずる人があります(感じ方には、かなり個人差があります)。

このような調整をおこなうと、頭部の熱感がおさまったり、精神的な落ち着きが得られたり、夜ぐっすり眠れたという実感を持つ方がたくさんいらっしゃいます。